ファッツ・ワーラー ‘Fats’ Waller は、オニックス・クラブに出ているジョン・カービー John Kirby のバンドのファンだった。カービーのバンドのピアニスト、ビリー・カイル Billy Kyle に紹介されたとき、ワーラーは早速カイルに「英国にいたときに聴いたきみたちのレコード《Rehearsin’ for a Nervous Breakdown (神経衰弱の練習、神経衰弱にきく練習?)》はよかったね」と話しかけた。
「あのA♭からFへの転調はまったく素晴らしかったよ」とワーラーは言い、
「どこからあんな技を仕入れたんだい?」とカイルの背中を叩きながら訊ねると
「あなたのレコードからですよ」とカイルは答えた。