【研究】映画『Rosalie』の主題歌 映画『Rosalie』はそのオリジナルのミュージカル【Rosalie】に較べてとくにいいというわけでなく、これといって刺激のない退屈なものだったが、興行的には成功した。またその主題歌の[Rosalie]は50万枚も売り、かなりヒットした。
【研究】日米比較論([Wives and Lovers]についての考察) この歌はなにかおかしく笑えてくるような歌詞で、われわれにも興味深いものだ。ただその内容は考えていくと、日本人にとって大きな問題を含んでいると言えるかもしれない。すなわち、日本人の女性は自分が家にいるとき、つまり亭主がそばにいてもだが、カーラーを巻く。
【研究】悩ましい恋の歌の意味論的、言語病理学的解釈!? アイラ・ガーシュウィンは著書《Lyrics on Several Occasions》で、意味論 semantics の大家S・I・ハヤカワが’55年冬季の専門季刊誌に載せた論文について書いている。ハヤカワはカナダ生れの日系人で、アメリカの大学で言語学などを教え、’68年から’72年までサンフランスィスコ州立大学の学長も務めた人で、学生運動がおこるといち早く警官隊を導入し、タカ派ぶりを発揮して話題をまいた。
【研究】命令形、使役動詞の訳 命令形、使役動詞は英語には非常に多い。日本語でもないわけではないが、日本ではその使用は親子や夫婦やごく親しい関係に限られ、そうでない場合は地位や立場の上下に強く律せられているのが普通だ。
【研究】同名異曲の問題 20世紀前半の50年間でアメリカでは約30万曲のポップ・ソングが書かれたという。それだけたくさん書かれれば、当然ながら、まったく同名の曲も生れてくるのは避けられないことだ。そして過去にはそういうことから裁判沙汰になる争いもいくつか起きている。
【研究】仮面と言葉([This Masquerade]についての考察) 仮面舞踏会の仮面 mask という言葉はラテン語の仮面 persona という概念が下敷きになっている。この persona という語から、のちの英語の〈個人〉を意味する person という語が派生したことから判るように、そこには個人、個性という意味も込められている。
【研究】仮定法過去([You’d Be So Nice to Come Home To]についての考察) You’d be so nice to come home to の You would be の形は文法的には仮定法過去となる。これについては[If I Were a Bell]と[Easy to Love]でも少し触れたが、もう一度例文を示してみよう。
【研究】ヴァーノン・デューク ロレンズ・ハートやヴァーノン・デュークのように、恵まれた才能をもちながらなにか大きな負の面をかかえこんでいる人というのは、私にはとても興味がそそられる。デュークという人は、才能に溢れていたにもかかわらずそれをうまく生かす世渡りの術に欠けていた人だと言えるかもしれない。
【研究】ヴァースとコーラス アレン・フォーテイ Allen Forte は著書《The American Popular Ballad of the Golden Era, 1925–1950》(Princeton Univ. Press, 1995)でロジャーズ&ハートの曲[Where or When]を分析して、この曲はヴァース部分が詩的にコーラスと結びついているだけでなく、音楽的にも緊密に関係しているので、けしてヴァース抜きで歌ってはならないと、注意している。そしてその通りヴァースをつけて歌っている人も多いが、しかしスィナトラやエラなどヴァース抜きで歌っている人も少なくない。フォーテイは言う。