[How Long Has This Been Going On?]How Long Has This Been Going On? この曲はガーシュウィン兄弟作で、最初は’27年のミュージカル【Funny Face】に挿入された。しかしこのミュージカルは最初は【Smarty うぬぼれ屋】という題でフィラデルフィアで上演され、ウィルミントンの木、金曜日の興行では客は200人足らずだったとアイラは回顧している。
[How About You]How About You ’42年の映画『Babes on Broadway』にラルフ・フリードとバートン・レインが書いた曲で、そのなかではジュディ・ガーランドとミッキー・ルーニーが歌った。MGMがガーランドの『Wizard of Oz オズの魔法使い』で大成功をおさめ、これがつづいて作った二作目ということになる。
[Honeysuckle Rose]Honeysuckle Rose これはファツ・ワーラーとアンディ・ラザフの曲としてかなりよく知られている。’29年にハーレムのコニーズ・イン Connie’s Inn で行われたショウ【Load of Coal】で歌われた。コニーズ・インは当時コトン・クラブの次くらいに大きく有名なクラブで、早い時間は白人専用だったが、白人が帰った遅い時間には黒人にも解放し、ワーラーのほかエリントン、フレチャー・ヘンダーソン、エセル・ウォーターズなども出演していた。
[Guess Who I Saw Today]Guess Who I Saw Today これはマレイ・グランド、エリス・ボイドの二人が’52年に書いたもので、アーサ・キットらが出演したレヴュー【New Face of 1952】に挿入され、そのなかではジューン・キャロル June Carroll が歌った。計7本上演されたこのシリーズのなかではこの’52年版がもっとも成功し、同じキャストで’54年に映画化されている。二人の共作となっているが、実際はグランドの作曲、ボイドの作詞でつくられたようだ。
[Good Morning Heartache]Good Morning Heartache これはアイリーン・ヒギンボサム作曲、アーヴィン・ドレイク作詞で、2人が’45年につくった曲だ。ダン・フィッシャーはプロデューサー、出版者で、権利に入りこんだだけで作詞曲には関係ないようだ。ビリー・ホリデイが最初にレコーディングし、また自分の持ち歌として得意にしていた。映画『ビリー・ホリデイ物語』が作られた’70年代半ばには、また多くのレコードが出されている。
[God Bless’ the Child]God Bless’ the Child ビリー・ホリデイが作り歌った曲の一つで、アーサー・ハーゾグ・ジュニアが仕上げている。作ったのは資料によって’39年、’40年両様の記述があった。彼女の録音は’41年5月9日に行われ、’42年にコロンビア傘下のオウケイ Okeh から出て、チャートでは25位までいった。
[Girl Talk]Girl Talk ボビィ・トループとニール・ヘフティが’65年に書き、同年に作られた往年のセクスィ女優ジーン・ハーロウ Jean Harlow の伝記映画『Harlow』に使われた曲だ。’66年に私はちょうどアメリカに行っていて、当時はやっていたこの曲をラジオからよく聴いたものだ。毎日、おそらく二三回は聴いたような気がする。この曲と少し似た感じの[Cherish]とか[Downtown]といった曲もはやっていて、やはり何度も何度も耳にした。
[Georgia on My Mind]Georgia on My Mind ステュアート・ゴレル作詞、ホウギィ・カーマイケル作曲で’31年に書かれた大変有名な曲だ。カーマイケルはこの時点で’29年の[Stardust]ほかもう10曲以上書いていたが、まだ大きなヒットはない状態だった。当時彼はニューヨークの投資会社に勤めていて、余暇に曲を書いているところだった。サックス奏者でバンドリーダーのフランキー・トランバウアー Frankie Trumbauer が「ジョージアについての歌を書いたらどうだい? 今まで誰も南部の歌を書いて損した奴はいないよ」とある日彼に言った。
[For You]For You アル・デュビン、ジョウ・バークの手になる1930年の曲で、翌’31年に映画『Holy Terror』に挿入された。映画の方はそれっきり忘れられ、この曲だけが残ったと言えそうだ。非常に単純でわかりやすい曲だが、その単純さで売れたのかもしれない。
[For All We Know]For All We Know この曲は’34年に当時ラジオで人気のあった歌手モートン・ダウニー Morton Downey が番組で歌ったのが最初だった。同年ハル・ケンプ Hal Kemp 楽団(スキネイ・エニス Skinnay Ennis 歌)がチャートで3位、アイシャム・ジョーンズ Isham Jones 楽団(ジョウ・マーティン Joe Martin 歌)が16位に入り、ケイ・カイザー Kay Kyser とガイ・ロンバード Guy Lombardo 楽団はチャート外だったが、レコードが出されている。