[Desafinado]Desafinado (Off Key/Slightly Out of Tune) アントニオ・カルロス・ジョビンのボサノヴァ曲のなかでも、最も早くわれわれの耳に入ってきたもので、私が初めてこの曲を聴いたのは、ディズィ・ガレスピの率いるオーケストラのものだった。1960年頃だったろうか、まだボサノヴァのレコードがあまり入ってきていないし、日本盤も出されていない頃だから、これは私にはボサノヴァの最初の曲という印象がある。
[You Made Me Love You (I Didn’t Want to Do It)]You Made Me Love You (I Didn’t Want to Do It) これはジェイムズ・V・モナコがニューヨークでダンス・バンドを率いていたときにつくった曲で、1913年の作品である。作詞はジョウゼフ・マッカースィで、ブロードウェイ・レヴュー【Honeymoon Express】に使われた。それからずっと後の1973年のミュージカル【Irene】のリヴァイヴァルにも使われている。最初はアル・ジョルソンが歌ってヒットにしたが、片膝をついて両手を聴衆のほうに伸ばして訴えるように歌い、彼の看板になったスタイルをつくりあげた曲でもあった。しかし息の長い曲でそれから何度も多くの人が歌ってリヴァイヴァルさせている。
[It Might As Well Be Spring]It Might As Well Be Spring これはハマースタイン二世とリチャード・ロジャーズのコンビで1945年につくられ、ミュージカル映画『State Fair』(20th Century-Fox)に使われた曲である。この二人の仕事には『South Pacific』やら『The Sound of Music』などミュージカル映画が多いのだが、いずれもミュージカルの映画化であって、オリジナルのミュージカル映画ではない。『State Fair』は彼らの唯一のオリジナルのミュージカル映画で、そう言われてみると意外に感じる人もいるはずだ。
[It’s De-Lovely]It’s De-Lovely この曲はコウル・ポーターが1936年のミューズィカル【Red, Hot and Blue】に入れたもので、若い男女が恋に落ち結婚し、子供をつくりその子供が成人し成功するまでを、言葉遊びふうに語った唄だ。またポーター得意のリスト・ソングの一種ともとれるかもしれない。
[Let There Be Love]Let There Be Love イアン・グラント作詞、ライオネル・ランド作曲で1940年につくられた曲で、ミュージカル、映画とは関係ない。この曲は最初はビギンとしてつくられたようだ。
[Some Other Spring]Some Other Spring これはアイリーン・キッチングズの書いた曲にアーサー・ハーゾグ・ジュニアが作詞したもので、1939年の作品である。チャートに昇ったほどのヒットではなかったが、ビリー・ホリデイが歌っていわばホリデイ・スタンダードとなった。