[Yes Sir, That’s My Baby]Yes Sir, That’s My Baby カーン作詞、ドナルドソン作曲で、’25年に歌手のエディ・キャンターのために書いたもので、キャンターが歌ってヒットした。また同年ジーン・オースティンの歌ったレコードもよく売れてヒットした。
[When the Saints Go Marchin’ In]When the Saints Go Marchin’ In トラディショナルの曲で、作り手は判っていない。ニューオルリンズで古くから葬送曲として演奏されていたもので、墓地へ行った帰りに行列とともにバンドが演奏した。
[Careless Love]Careless Love 有名なトラディショナルで、作者は不明である。ただし《歌曲大辞典》には1840から1895年ごろのあいだに成立したものと書かれていて、’11年に最初の楽譜が出版されている、とある。
[Frankie and Johnny]Frankie and Johnny これは作者が判っていない曲で、多分1870-75年ごろに成立したとされている俗謡である。《歌曲大辞典》には「トーマス・ビーア Thomas Beer がこの歌は1850年代の実際の出来事に由来するものだと指摘し、ヴィクスバーグ Vicksburg の包囲のときに歌われたものだと主張している」とある。
[Thou Swell]Thou Swell これはロジャーズ&ハートの作で、マーク・トウェインの小説にもとづいた1927年のミュージカル【A Connecticut Yankee】に使われた曲だ。そのなかではウイリアム・ギャクストンとコンスタンス・カーペンター Constance Carpenter がこれを歌った。
[Nobody Knows the Trouble I’ve Seen]Nobody Knows the Trouble I’ve Seen これは1865年ごろにはできていたと考えられるトラディショナルの曲である。最初の楽譜はフィスク大学のジュビリー・スィンガーズがそのレパートリィをまとめた曲集に収録されたもので、1880年に出版された。
[It Had to Be You]It Had to Be You これはアイシャム・ジョーンズの楽団の1924年のヒット曲で、ガス・カーンが歌詞をつけている。映画、ミュージカルには関係なくても、ジョーンズ楽団のレコードがヒット・チャートのトップにあがって、その位置を5週維持した。同年にはさらにマリオン・ハリスの歌が3位まで、ウクレレ・アイクことクリフ・エドワーズの歌が6位までのぼり、ビリー・マレイ Billy Murray とアイリーン・スタンレイ Aileen Stanley、ポール・ホワイトマン楽団などのレコードもチャート入りし、またサム・ラーニン Sam Lanin、ケイ・トンプソン Kay Thompson らのレコードも出た。
[Greensleeves]Greensleeves これは英国の民謡で現代まで歌いつがれてきたポップ・ソングである。そのもとは16世紀末の英国で流行した作者不詳の大衆歌謡で、正確にはその百年前あたりから英国北部で歌われたり演奏されてきたものだ。
[My Romance]My Romance これはロジャーズ/ハートの’35年の作品で、同年11月の、ミューズィカル【Jumbo】のなかに使用された曲だ。そのなかではドナルド・ノヴィス Donald Novis とグロリア・グラフトン Gloria Grafton によって歌われた。この二人は当時売れっ子のビグバンド歌手で、歌えない映画スターの声もよく吹き替えていた。
[Lover]Lover この曲はロジャーズ/ハートの’32年の作品で、同年のミュージカル映画『Love Me Tonight』(Paramount)に使われ、そのなかではジャネット・マクドナルドがこれを歌った。