[Here We Come A-Caroling (Here We Come A-Wassailing)]Here We Come A-Caroling (Here We Come A-Wassailing) これはもとの名を[The Wassail Song]といったように、イギリスのいわゆるワセイル・ソングである。ワセイル・ソングとはクリスマスや十二夜にワセイル鉢に入れた軽い酒を飲み健康を祈って乾杯する唄のことを言う。
[Hark! The Herald Angels Sing]Hark! The Herald Angels Sing これはメソディスト派教会を設立したジョン・ウェズリー John Wesley の弟チャールズ・ウェズリー(1707-1788)が書いた歌詞で、1739年に出された《賛美歌と聖歌詩集 Hymns and Sacred Poems》という曲集に載せられた。
[Good King Wenceslas]Good King Wenceslas これは元もとはラテン語の[Tempus Adest Floridum]という曲で、13世紀につくられた Spring carol とも dance carol とも言われるものだ。題名の意味は〝春がやってきて花を開かせた〞といったもので、かなりテンポの速い陽気なダンス曲だったらしい。
[Good Christian Men, Rejoice]Good Christian Men, Rejoice これはもとは14世紀のドイツの聖職者ハインリッヒ・スゾーの書いた曲である。現在のかたちはそれから5百年もたって1853年にジョン・メイソン・ニールがラテン語から翻訳して英詩をつけたものである。
[God Rest Ye Merry, Gentlemen]God Rest Ye Merry, Gentlemen これは作詞者、作曲者とも不明だが、16世紀ごろイギリスでできた俗謡である。書かれたかたちでの歌詞は1770年の《Roxburghe Ballads》という曲集に現れたのが最初である。
[Go Tell It on the Mountain]Go Tell It on the Mountain これはアメリカ南東部の奴隷に起源のある1800年ごろのトラディショナル曲、ニグロ・スピリチュアルで、フィスク大学のジュビリー・スィンガーズが歌って有名になった、クリスマス曲にしては異色の作品である。
[Ding Dong! Merrily on High]Ding Dong! Merrily on High この曲の作者は判っていないが、16世紀フランスに起源がありそうだ。最初の印刷物は1588年にジェハン・タブーロ Jehan Tabourot(1519-1593)の出したダンスの本に載せられ、元もとはダンス曲の範疇だった。
[Deck the Halls]Deck the Halls この曲は英国のウェールズ地方で歌われてきた俗謡で、作者は不詳である。Yule とは、いわゆるヴァイキングや北欧一帯の人たちに広まっていたキリスト教以前の信仰における12月末から新年にかけての祝祭のことで、キリスト教に帰依したあとにそれがクリスマスに変化して残り、これはそのユールの伝統から生れた俗謡である。
[Coventry Carol]Coventry Carol これはイングランドの Coventry という街にちなんでコヴェントリー・キャロルと名づけられた聖歌で、クリスマス・キャロルの一つである。その出自は16世紀にまで遡ることができる。
[Away in a Manger]Away in a Manger これは一般にドイツのマルティン・ルターの作と言われてきた曲だが、じつはルターはまったく関与していなくて、アメリカの19世紀後半の俗謡の一つである。最初に現れたのは1885年のフィラデルフィアの子供の日曜学校の本《小さな子供の本 Little Children’s Book》で、作者名なしの詩として載せられた。