[Sometimes I Feel Like a Motherless Child]Sometimes I Feel Like a Motherless Child これはいわゆる黒人霊歌、スピリチュアルで、作者もつくられた正確な時日も判っていない。黒人霊歌は十八、九世紀あたりに黒人奴隷のなかに自然発生的に生れてきた音楽で、そのほとんどが個人の作詞曲家によるものでないという点がきわだっている。
[Battle Hymn of the Republic]Battle Hymn of the Republic この曲はトラディショナルと今は考えてしまっていいかと思うが、元もとの成立過程は複雑で、不詳な点も少なからずある。歌詞は詩人で奴隷制に反対していた社会運動家のジュリア・ウォード・ハウ夫人 Julia Ward Howe (1819-1910)によって書かれたが、この曲に関して唯一確かなことはこれだけである。
[Amazing Grace]Amazing Grace この曲は有名なトラディショナル・ナンバーで、《歌曲大辞典》は1800年の成立としている。しかしメロディは民間の俗謡から出来したものらしく、はっきりとした年代は判らない。
[Swing Low, Sweet Chariot]Swing Low, Sweet Chariot トラディショナルのスピリチュアル曲で、最初に楽譜にされたのは1872年のようである。これは確実なことが判らなかった。奴隷解放令が出され南北戦争が終結して一息ついた1870年代に、アメリカ史で初めてのスピリチュアル・ブームが起き、そのときジュビリー・スィンガーズが歌ったのが形としては最初だったようだ。
[Lonesome Road]Lonesome Road アメリカ黒人のあいだに伝わっていた古いスピリチュアル(霊歌)で、トラディショナル曲である。1865年にスピリチュアル曲集が初めて出版され楽譜化されたので、書物によってはその年代が書かれている。