[Everybody Loves My Baby]Everybody Loves My Baby これは’20年代にブルースなど多くの曲を書いているスペンサー・ウィリアムズの曲で、1924年にジャック・パーマーと二人でつくったものだ。’25年2月にアイリーン・スタンリー Aileen Stanley が吹き込んだレコードがヒットして、ヒット・チャートの五位まで昇り、三週間チャートに名を連ねた。
[Don’t Blame Me]Don’t Blame Me フィールズとマクヒューの二人によって書かれ、’32年の【Clowns in Clover】というシカゴのレヴューに挿入されたが、このレヴューはあまり当たらなかったようで、従ってブロードウェイでも上演されず、これについては詳しいことは判らなかった。
[Dancing in the Dark]Dancing in the Dark ’31年のレヴュー【The Band Wagon】にディーツ/シュウォーツ組が書いた曲で、このレヴューにはフレッドとアデール Adele のアステア姉弟が主演した。
[Call Me Irresponsible]Call Me Irresponsible もとはフレッド・アステア主演でつくられることになっていた’55年の映画『Papa’s Delicate Condition』のためにカーン/ヴァン・ヒューゼン組が書いた曲だが、これは実現せず、’63年にジャッキー・グリースン Jackie Gleason 主演で同題名でつくられ、グリースンがそのなかで歌った。
[Bei Mir Bist du Schön]Bei Mir Bist du Schön この曲は’33年のイディッシュ語のミュージカル・コメディのためにジェイコブスとセクンダのユダヤ人二人組が書いたもので、普通ならそのままアメリカのユダヤ人社会のなかで埋もれて終ってしまっているところだった。
[Begin the Beguine]Begin the Beguine コウル・ポーターが’35年のミュージカル【Jubilee】のために書いたもので、そこではジューン・ナイト June Knight が歌った。[Night and Day]などとともに彼のラテンリズム曲の代表作の一つだが、なんと108小節もある。ポップソングのなかでは108小節というのは最長かもしれない。脚本のモス・ハート Moss Hart が聴いていて、もう終わったかと思ったらまだ半分くらいのところですごく驚いたという。
[Baubles, Bangles and Beads]Baubles, Bangles and Beads ’53年のミュージカル【Kismet】のためにライトとフォレストのコンビが書いた曲で、同じく挿入された[Stranger in Paradise]はボロディンの歌劇からメロディをとっていたが、この曲は弦楽四重奏からメロディをとっている。
[Among My Souvenirs]Among My Souvenirs エドガー・レズリィとホレイショウ・ニコルズの’27年の作品だが、’29年のミュージカル映画『Paris』に挿入使用された。そのときは莫大なヒットというわけではなく、この曲は以後も地味な存在だったが、’59年にコニィ・フランスィス Connie Francis が歌ったMGM盤がミリオン・セラーになって、大きくリヴァイヴァルした。
[Am I Blue?]Am I Blue? ’29年のミュージカル映画『On with the Show』のためにアクストとクラークが書いたもので、そのなかではエセル・ウォーターズ Ethel Waters が歌った。