[Please Send Me Someone to Love]Please Send Me Someone to Love リズム&ブルース歌手でピアニストでもあったパースィ・メイフィールドが’50年に書いた曲で、映画、ミュージカルとは関係ない。Specialty というレイベルから彼自身が歌って出したレコードが売れて、R&Bのトップ・ヒットとなった。
[Nobody Knows You When You’re Down and Out]Nobody Knows You When You’re Down and Out ジミー・コックスというヴォードヴィルの役者が’23年につくったブルースで、彼が舞台で歌ってひろめた。レコードは’27年にボビー・ベイカー Bobby Baker が録音したものが最初だが、’29年5月15日にベスィ・スミス(1894-’37)の吹きこんだものが大変よく売れた。
[Mercy, Mercy, Mercy]Mercy, Mercy, Mercy ジュリアン・キャノンボール・アダレイ率いるクインテットが’66年に飛ばしたヒット曲で、そのバンドのピアノを担当していたジョセフ・ザヴィナルがつくった。
[Memphis Blues]Memphis Blues W・C・ハンディが1910年に書いた有名な曲に、ジョージ・A・ノートンが歌詞をつけたもので、1912年9月に出版されている。ハンディ自身が〝南部のラグ〞と形容したこの曲は、1909年のテネスィ州メンフィスの市長選挙のキャンペイン・ソングとして、[Mr. Crump]というタイトルでエドワード・クランプ Edward Crump 候補のために書かれた。
[Man That Got Away, The]The Man That Got Away ハロルド・アーレンが書いて、アイラ・ガーシュウィンが歌詞をつけ、1953年の映画『A Star Is Born』に使われた曲である。そのなかではジュディ・ガーランドが歌い、以後彼女の得意のナンバーになった曲だ。
[Lady Sings the Blues]Lady Sings the Blues ピアニストのハービィ・ニコルズの書いたメロディにビリー・ホリデイが歌詞をつけてできあがった曲で、’56年の作品だ。彼女はトニー・スコット編曲の七人編成のバンドで同年六月にこの曲を吹きこんでいる。
[In the Mood]In the Mood サックス奏者のジョウ・ガーランドが、トラディショナルなブルース・ナンバーのラインからメロディをとってつくったと言われる作品で、’39年にインストゥルメンタルとして発表されたものだ。
[I Gotta Right to Sing the Blues]I Gotta Right to Sing the Blues テッド・ケーラー作詞、ハロルド・アーレン作曲の’32年の曲で、レヴュー【Earl Carroll Vanities】の’32年版に挿入使用された。このレヴューにはミルトン・バール Milton Berle やヘレン・ブロウデリック Helen Broderic らが出演したが、この曲を歌ったのはリリアン・シェイド Lillian Shade だった。
[I Ain’t Got Nothing But the Blues]I Ain’t Got Nothing But the Blues これはデューク・エリントンの’40年代の作品の一つで、ドン・ジョージが作詞した曲である。エリントンの曲はたいてい最初はインストゥルメンタルとしてつくられ、のちに歌詞がつけられてスタンダード曲になってくるから、アンサンブルのための曲づくりが多いが、これはブルース臭に満ちたやや異なる趣の曲となった。
[Fine and Mellow]Fine and Mellow この曲はビリー・ホリデイの書いた有名なブルースで、’39年につくられている。これは当時レコード店を経営していたミルト・ゲイブラーがコモドアという自分のレイベルから出した二枚のレコードの表裏四曲のうちの一つで、最初は[Strange Fruit]の裏に入っていた。