これはロビンとゲンスラーの共作となっているが、事実上はロビン作詞、ゲンスラー作曲で、’34年のミュージカル映画『Here Is My Heart』（Paramount）に使われた曲だ。そのなかでは主演のビング・クロズビィが歌い、また彼のレコードがヒットした。物語りは、大金待ちのクルーナー（クロズビィのようなあまり大きな声をださないソフトな歌い方の歌手）が、毎日の生活に飽きてモンテカルロに行き、どこかの国の尊大な王女様と恋に落ちるといったもので、クロズビィにはぴったりの役だった。ロビンはほかに三曲ほどラルフ・レインジャーとこの映画に書いているが、この曲だけがスタンダード曲として残った…

── 本文より