これはサミー・カーン作詞、ジュール・スタイン作曲で、1948年の映画『Romance on the High Seas』（Warner）に使われた曲だ。そのなかでは主演のドリス・デイが歌った。物語りは、題名からも察せられるように、船の上で展開するロマンスである。金持ちの社交界の夫人がリオに豪華客船で旅をするが、デイ扮する若い歌手を雇って自分のふりをさせ、自分はニューヨークに残って彼女が疑っている亭主の動向をスパイしようとする。亭主の方も自分を置いて一人で旅する夫人を疑って、探偵を雇って船客として乗りこませ夫人を監視しようとする。’40年代から戦後へと続いた典型的なパンアメリカニズム・ミュージカル・コメディというところだ。この映画の英国名は『It’s Magic』で、そこから察せられるように［It’s Magic］も入っていて、こっちの方がアカデミー主題歌賞にノミネイトされたが受賞は逸している…

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