1930
作詞/ロレンズ・ハート Lorenz Hart
作曲/リチャード・ロジャーズ Richard Rodgers
- 内容:
- 解説、英詞、日本語訳
- 配信方式:
- ストリーミング
- 購読期間:
- 無期限
- 価格
- 250円(税込275円)
ロジャーズとハートのよく知られた作品だが、’30年にまず【Simple Simon】というブロードウェイ・ミュージカルに使うために用意されたが使われず、同年の【Evergreen】というロンドンのミュージカルに使われている。
【Evergreen】は英国の喜劇役者で歌えて隠れる才能豊かな女優、ジェスィ・マシューズ Jessie Matthews が主演したミュージカルで、「ミュージカルの歴史が書き換えられた」とまで新聞で評されるほど完成度の高い成功作だった。彼女はなにか困ったことが起きるとすぐ泣いてしまう癖があって、可憐な少女のような雰囲気をもちつづけた女優だが、それでいて時どき周囲がアッと驚くほど図太い根性を見せることがあって、魅力ある女性だったようだ。このミュージカルのリハーサルでも、この曲を歌う一番重要な場面で、作曲のリチャード・ロジャーズと制作、脚本、監督の四人に交互に厭というほどこきおろされて、カーッと頭に血がのぽったのか、「いいこと、なにがなんでもここは私がやりたいようにやります!」と怒鴫りかえして彼らをびっくりさせたという…
── 本文より