【研究】スピリチュアル 2 黒人霊歌 Negro spiritual という言い方は以前は一般的だったが、Negro は人種をさす言葉で、Nigger といった蔑視語、差別語も生み出しているから、最近はより非人種的、中立的な言葉 black を使って、black spiritual という表現が多くなされる。
【研究】シナトラのスウィング感 ガンサー・シュラーは著書《The Swing Era》で、’39年から’40年代初めにかけて〝シナトラとサイ・オリヴァーとバディ・リッチの加入で、ドースィ楽団はシナトラとパイド・パイパーズのバラード派とオリヴァーとリッチのスウィング派に二分した〞と書いている。
【研究】クラシックとスタンダード曲 クラシックの曲をポップス化するのはアメリカではよく行われている。この巻でもショパンの[幻想即興曲]をもとにしてつくられた[I’m Always Chasing Rainbows]を採りあげたし、[A Lovey Way to Spend an Evening]もチャイコフスキーの[悲愴]の第一楽章第二主題からひねり出したメロディである。
[You Came a Long Way from St. Louis]You Came a Long Way from St. Louis ピアニストでアレンジャーのジョン・ベンソン・ブルックスの曲で、スィドニー・キース・ラッセルが歌詞をつけた1948年の作品である。最初の録音はレイ・マッキンリーの楽団がやっている。
[You Belong to Me]You Belong to Me ピー・ウィー・キング、レッド・ステュアート、チルトン・プライスの三者のクレディットになっている1952年の作品である。最初に録音したのはジョニィ・ジェイムズで、これが彼女の最初のレコードでもあった。
[You Are My Lucky Star]You Are My Lucky Star アーサー・フリード作詞、ネイスィオウ・ハーブ・ブラウン作曲で1935年のミュージカル映画『Broadway Melody of 1936』(MGM)に使われた曲である。そのなかではエリナー・パウエルが歌った。
[Yes, Indeed]Yes, Indeed トミー・ドースィ楽団のアレンジャーをやっていたサイ・オリヴァーが1941年に同楽団のために書いた曲である。ドースィ楽団の Victor のレコードは’41年に出され、そこではオリヴァー自身とジョウ・スタッフォードが歌い、チャートで7月に4位にまでのぼっている。
[Who?]Who? オットー・ハーバックとオスカー・ハマースタイン二世が作詞し、ジェロウム・カーンが作曲して、1925年のミュージカル【Sunny】に使われた曲である。そのなかではマリリン・ミラーとポール・フローリィ Paul Frawley が歌った。
[When It’s Sleepy Time Down South]When It’s Sleepy Time Down South リーオン・ルネイ、オウティス・ルネイ、クラレンス・ミューズの三者の書いた1931年の曲で、映画やショウとは関係ない。歌手のミューズが最初に歌ったらしいが、この曲の資料はほとんどなにもなかった。
[What a Wonderful World]What a Wonderful World 作曲家のジョージ・デイヴィド・ワイスとプロデューサーのボブ・スィールがルイ・アームストロング用につくった1967年のポピュラー曲である。