【研究】アニタ・オデイの[You’re the Top] アニタ・オデイの[You’re the Top]はヴァース1、コーラス1と歌ってから、自分で造った歌詞に入っていく。もうよく知られているが、You’re the Bop! と歌ってジャズ・ファンを驚かせ喜ばせた。
【研究】[You’re the Top] ’94年に出版されたティム・ドライル Tim De Lisle 編集の《Lives of the Great Songs》という本がある。英国の新聞の日曜特集の記事を一冊の本にまとめたもので、有名なスタンダード曲などを一曲一曲べつべつに記者や評論家が担当して、その生い立ちやヒットのその後まで研究した、とても珍しい興味深い本である。
[You’re the Top]You’re the Top これはコウル・ポーターの作品で、1934年のミュージカル【Anything Goes】に入れられた曲だ。そのなかではエセル・マーマンとウィリアム・ギャクストンがこれを歌った。このミュージカルの映画化『Anything Goes』では、’36年版(Paramount)で同じマーマンとビング・クロズビィがこの曲を歌い、’56年版(同)でクロズビィ、ミッツィ・ゲイナー、ドナルド・オコナーらが歌った。がいずれも歌詞はかなり変えられていた。
[Why Don’t You Do Right?]Why Don’t You Do Right? これはブルースマンでギタリストのジョウ・マッコイが1942年に書いた曲で、ペギー・リーがベニー・グッドマン楽団で歌って大ヒットした。ちょうど戦争が始まったばかりだったので、百万枚にわずかに欠けるほど売れたこの盤が、’42~’43年にはもっとも売れたレコードになったという。
[When I Grow Too Old to Dream]When I Grow Too Old to Dream これはオスカー・ハマースタイン二世作詞、スィグマンド・ロンバーグ作曲で、1935年の映画『The Night Is Young』(MGM)に使われ、非常に有名になったワルツである。そのなかではイーヴリン・レイ Evelyn Laye によって歌われた。
[What a Little Moonlight Can Do]What a Little Moonlight Can Do これはハリー・ウッズ作詞曲によるもので、1934年の英国映画『Road House』(Balcon/Gaumont)に使用挿入された曲だ。ただし英米の研究書の多くで、この曲が使われた場として、’30年のヘレン・モーガンらが主演した米映画『Roadhouse Nights』(Paramount)と’48年のアイダ・ルピノらが主演した米映画『Road House』(TCF)に間違えた表記が見られた。
[Waiting for the Robert E. Lee]Waiting for the Robert E. Lee これはラグタイムのスタンダードといった曲で、L・ウルフ・ギルバート作詞、ルイス・フランク・ミュア作曲で1912年につくられた古典中の古典だ。作詞のギルバートが、ルイズィアナ州ベイトン・ルージュの川岸の突堤で黒人たちがミスィスィッピー川の汽船〝リー将軍号〞から積み荷を降ろしているのを見て、そのありさまを唄に書いた。
[Too Marvelous for Words]Too Marvelous for Words これはジョニー・マーサーとリチャード・ホワイティングの作で、1937年のミュージカル映画『Ready, Willing and Able』(Warner)に挿入使用された。そのなかではルビィ・キーラーとリー・ディクソン Lee Dixon がこれを歌った。
[Time on My Hands]Time on My Hands これはヴィンセント・ユーマンズの曲で、ハロルド・アダムソンとマック・ゴードンが作詞して、1930年のミュージカル【Smiles】に使われた。マリリン・ミラー Marilyn Miller とポール・グレゴリー Paul Gregory にフレッドとアデールのアステア姉弟が出演し、この曲はミラーとグレゴリーが歌った。
[Tiger Rag]Tiger Rag ディクスィランド・ジャズのスタンダードとしてあまりにも有名なこの曲は、オリジナル・ディクスィランド・ジャズ・バンド ODJB の1917年のクレディットになっていて、ハリー・ディコスタが作詞している。