【研究】レコードの出現 ODJBが最初のジャズ・レコードを出したのは第一次大戦のさなかの’17年のことだった。だがレコードそのものはそれより以前から出されていた。名のある芸術家が録音した(ということは実験段階のものや音楽以外のものは除いてということだが)最初のレコードは、1888年に出されているし、最初のレコード・カタログはコロンビア・レコード会社から1891年に出されている。
【研究】レイス・レコード race records ODJBが歴史上最初となるジャズ・レコードを出したのは’17年のことだった。そして黒人のジャズメン、ジャズ歌手がレコードを出したのは’20年のことだったが、このレコードは当時レイス・レコードと呼ばれた。レイス・レコードは黒人だけでなく、’20年代、’30年代をつうじてユダヤ人やイタリー人などそれぞれの移民社会のなかで盛んにつくられていった。
【研究】ラジオの出現 レコードの出現にやや遅れてやってきたのがラジオだった。現在のテレビがわれわれにもつ意味は量り知れないほど大きいが、ちょうどそれと同じか、あるいはそれ以上の意味をこのラジオの出現はもっていたと考えていいと思う。
【研究】ポップ・ソング史を画した曲([Fascinating Rhythm]について) [Fascinating Rhythm]の歌詞がよく書けているのかどうかという点では意見が分れるにしても、このメロディがとても斬新なものだったという点では衆目の一致するところだったと思う。これは非常にリズミカルな曲だったから、アイラを弁護することになるが、私はこの曲に歌詞をつけるのは至難の技だったろうと思わずにはいられない。
【研究】ニューオルリンズとジャズの楽器について ニューオルリンズは、1698年から探検をはじめていたフランス軍のアイバーヴィルとビアンヴィルの兄弟が率いる遠征部隊が、1718年に築いたものだという。北にはポンチャートレイン Pontchartrain 湖があり、街のなかにはミスィスィッピィ川がはしり、軍事的には重要な場所と考えられたが、土地が海水位と同じかそれ以下と低くつねに水害に悩まされてきた。
[You’re Driving Me Crazy]You’re Driving Me Crazy ウォルター・ドナルドソンが’30年につくった曲で、当初は映画、ミュージカルとは関係なかったようだ。がヒットしたために同年のアステア姉弟主演のブロードウェイ・ミュージカル【Smiles】に挿入使用された。
[World Is Waiting for the Sunrise, The]The World Is Waiting for the Sunrise ユージーン・ロックハートが作詞し、アーネスト・スィーツが作曲したもので、第一次大戦後のバラードとして’19年にヒットした。売れたのはヴィクターから発売されたロイ・バーギィ Roy Bargy 編曲のベンソン・オーケストラのレコードと、ジョン・スティールの歌とフリッツ・クライスラーのヴァイオリンをヴィクター・サロン・オーケストラが伴奏したレコードだった。
[When Your Lover Has Gone]When Your Lover Has Gone E・A・スワンの書いた曲で、’31年のコメディ映画『Blonde Crazy』(Warner)に使われた。この映画にはジェイムズ・キャグニィ、ジョウン・ブロンデル Joan Blondell などが主演している。
[When You Wish Upon a Star]When You Wish Upon a Star ウォルト・ディズニーの長編漫画映画『Pinocchio ピノキオ』(RKO)の主題歌で、ネッド・ワシントン作詞、リー・ハーライン作曲の’40年の作品だ。サウンド・トラックでは〝ウクレレ・アイク〞ことクリフ・エドワーズがこれを歌った。
[What Are You Doing the Rest of Your Life?]What Are You Doing the Rest of Your Life? ミシェル・ルグランの曲で、アランとマリリンのバーグマン夫妻が作詞して、’69年の映画『The Happy Ending』に使われた。そのサウンド・トラックではマイケル・ディーズ Michael Dees によって歌われた。