[Manhattan]Manhattan ロジャーズ/ハートの書いた最初のヒット曲で、’25年のレヴュー【The Garrick Gaieties】のなかでジューン・コクレイン June Cockrane とスターリング・ホロウェイ Sterling Holloway が歌った。
[Mame]Mame ジェリー・ハーマンが’64年に【Hello Dolly!】で成功したあと、’66年にその続編のような形でだした【Mame】の主題歌である。主人公のメイム役には最初メアリィ・マーティンが想定されていたが、アンジェラ・ランズベリィ Angela Lansbury が演じて成功した。
[Liza]Liza ガス・カーンとガーシュウィン兄弟がフローレンズ・ズィーグフェルド制作の’29年のミュージカル【Show Girl】に書いた曲で、舞台では当時名前が売れつつあったデューク・エリントン楽団が伴奏し、ニック・ルーカス Nick Lucas がこれを歌いルビィ・キーラー Ruby Keeler が踊った。
[Little Brown Jug]Little Brown Jug この曲はアメリカの俗謡、伝承歌謡といったところだが、1869年にジョウゼフ・E・ウィナー Joseph E. Winner という人がR・A・イーストバーン R. A. Eastburn なる偽名で作詞作曲した、と《歌曲大辞典》やイーウェンの《American Popular Songs》には書かれている。
[Last Time I Saw Paris, The]The Last Time I Saw Paris オスカー・ハマースタイン二世とジェロウム・カーンの’40年のヒット曲で、映画やミュージカルとは関係なくつくられている。ハマースタインは子供のころからパリをよく知っていてパリが大好きだったので、ドイツ軍のパリ占領(1940年6月)に心を痛め、駆られるようにしてこの詩を書いたという。
[Ja-Da]Ja-Da ボブ・カールトンが’18年につくり、ウクレレがうまくで〝ウクレレ・アイク〞というあだ名で呼ばれていた歌手のクリフ・エドワーズ Cliff Edwards がシカゴのヴォードヴィルではやらせた曲で、’20年代初めにはやった。
[It’s a Sin to Tell a Lie]It’s a Sin to Tell a Lie ビリー・メイヒューが’36年につくった曲で、これは日本人でも知らない人がいないくらいに有名なスタンダード曲となった。しかしこのメイヒューはこの曲ばったりという人で、他にヒット曲はおろか一つも作品がなく、この人の素性、経歴などは1889年生れ’51年没ということ以外はまったく判らなかった。
[I Cover the Waterfront]I Cover the Waterfront ’33年の同名の映画のためにヘイマン、グリーンの二人によって書かれた曲だが、映画の完成が早かったのでその初版にはこの曲は使われなかった。がラジオでベン・バーニィ Ben Bernie と彼のオーケストラの奏するこの曲がヒットし、結果としてその映画の再版以後のものにはサウンド・トラックに挿入されている。
[I Could Write a Book]I Could Write a Book ロジャーズ/ハートが’40年のミュージカル【Pal Joey】に書いた曲で、これにはヴィヴィアン・スィーガル Vivieanne Segal と、プロードウェイ・ミュージカルには唯一の主演となったジーン・ケリーが出演し、なかでジーン・ケリーとリーラ・アーンスト Leila Ernst がこの曲を歌った。
[How High the Moon]How High the Moon ナンスィ・ハミルトンとモーガン・ルイスが’40年のミュージカル【Two for the Show】に書いた曲で、そのときはまったく脚光を浴びなかったが、’40年代中頃からバップのミュージシャンに素材として愛好され、一挙にスタンダード曲の仲間入りをした。