【研究】[My Ideal]とアメリカ人の性意識 コール・ポーターの[Love for Sale]は一時期アメリカとカナダの放送局から放送禁止措置をとられた。もちろんそれは性的にあまりに露骨な表現が満ちているという理由からだ。しかしちょうど同じころ、フランスではエディット・ピアフ Edit Piaf がパリの売春婦について高らかに歌いあげていた。
【研究】英語のなかの仏語([My Reverie]について) [My Reverie]のなかの dream と reverie という二つの単語は、はからずも英語のなかでは仏語起源の言葉が優勢的地位にあると述べたこと([研究─[My Ideal]とアメリカ人の性意識]参照)の実例を提供してくれている。
【研究】パリの運転事情 以前、テレビでよくある世界中を旅行したり食べ歩きをしたりして、あいだにクイズを挿んでいく番組を見ていたときだった。パリについての問題が出て、①パリの街なかでは人が遺跡を横断すると車は停まって渡り終えるまで待ってくれる、②パリでは車が人に譲歩することはまったくなく、信号のないところでの横断は危険だから絶対にしないこと、そして忘れてしまったがもう一つなにかがあって、計三つの選択肢から正解を選ぶというものだった。
【研究】オスカー・ハマースタイン二世のエッセイ 3(曲づくりにおける制限と自由の均衡) さて、この音楽を先に書きあとから言葉をつける習慣は奇妙で不合理なものだが、それでいてまったく報われないものというわけでもない、とオスカー・ハマースタイン二世は主張している。
【研究】オスカー・ハマースタイン二世のエッセイ 2(曲のリズム、韻律と作詞術) もう一つの理由は外国に関係するものではなく、純粋にアメリカのもので、それはいわば〝壊れてきたリズム the broken rhythm〞だという。
【研究】オスカー・ハマースタイン二世のエッセイ 1(ヨーロッパ、ロシアからの移民の作曲家) ヨーロッパ、ロシアからの移民の作曲家は19世紀末から今世紀初めにかけて非常に多くアメリカに渡ってきている。アーヴィング・バーリンを初めとして、ヴァーノン・デュークはもちろん、[Be My Love]のニコラス・ブロツキィ然り、[Wild Is the Wind]のディミトリィ・ティオムキン然りである。
【研究】アメリカ的なもの 2([What’s Going On]について) [What’s Going On]は訳出したように〈なにが行われているか、始まっているか〉、〈そこで行われていること、始まっていること〉といった意味だが、マーヴィン・ゲイはこのあと次作として《Let’s Get It On》というアルバムをつくっている。
[You’ll Never Know]You’ll Never Know マック・ゴードンとハリー・ウォレンの二人が’43年の二十世紀フォックス映画『Hello, Frisco, Hello』に書いた曲で、なかでアリス・フェイが電話の受話器に向かってこれを歌った。
[Wild Is the Wind]Wild Is the Wind ワシントンとティオムキンの二人が書いた’57年のアンナ・マニヤーニ Anna Magnani、アンソニィ・クウィン Anthony Quinn 主演の同名の映画『Wild Is the Wind 野性の息吹き』の主題歌である。
[What’s Going On]What’s Going On これはマーヴィン・ゲイのアルフレッド・クリーヴランドとリノールド・ベンソンとの共作による作品で、’71年に発表されシングルとしてもアルバムとしてもトップ・テンに入るヒットとなった。