第1巻」カテゴリーアーカイブ

【研究】歌のなかの様式性と現実性([Guess Who I Saw Today]についての考察)

こういう歌が日本人に好かれるかどうかはともかくとして、日本のジャズ歌手はこういう歌がうまく歌えないというのが現状ではないだろうか? 発音が依然として英米人に判るようなものになっていないことが一つだし、歌を歌うときの心構え、その精神が欧米と日本とでは未だに大きく違うということがもう一つである。

[You Are Too Beautiful]You Are Too Beautiful

これはロジャーズ・アンド・ハートの1932年の曲で、’33年の映画『Hallelujah, I’m a Bum』(United Artists)に主題歌として使われた。そのなかではアル・ジョルソン Al Jolson がこれを歌っている。これはそれほど大きいヒットにはならなかったようで、のちに’53年8月にボブ・エヴァリィ Bob Ebberly が歌ったものがわずかに30位にチャート入りしただけだった。

[Yesterday]Yesterday

ビートルズの結成後、初期の大きなヒットの一つとなった曲だ。’65年6月に録音され、9月に発売されたが、その後これはジャズ歌手にも多く歌われ、ビートルズ・ファン以外の一般の人にもかなりよく知られるようになった。ポール・マッカートニーの作らしいが、それまですべてクレディットは二人の共作になっていたので、これもそうなった。

[Wives and Lovers]Wives and Lovers

‘63年にデイヴィド/バカラック組が書いた曲で、多くの人が歌ったが、ジャック・ジョーンズ Jack Jones のレコードが翌年のグラミー賞をもらった。これはまだ作詞曲の二人がそれほど有名にはなっていない初期のヒット作で、いくらかジャズっぽさが感じられる。というわけでジャズ歌手も結構とりあげている。