[Two Sleepy People]Two Sleepy People フランク・レッサーが作詞し、ホウギィ・カーマイケルが作曲して、1938年の映画『Thanks for the Memory』(Paramount)に使われた曲だ。そのなかではボブ・ホウプとシャーリー・ロスが、主題歌[Thanks for the Memory]と同じく、これを歌った。
[Stardust]Stardust ホウギィ・カーマイケルの言わずと知れた名曲で、ミッチェル・パリッシュの歌詞が’29年につけられている。が’27年10月31日にカーマイケル自身が録音しているから、二年前にはもうインストゥルメンタルとして完成していたようだ。
[Skylark]Skylark ジョニー・マーサーが作詞し、ホウギィ・カーマイケルが作曲した1942年の曲で、映画、ミュージカルとは関係ない。が非常に巧妙なカーマイケルのメロディが魅力なのだろう、ジャズ歌手のあいだに少しずつ人気が高まってきて、最近ではスタンダード曲のなかでもかなり高い位置に昇ったと思われる曲である。
[Rockin’ Chair]Rockin’ Chair ホウギィ・カーマイケルの’30年の曲で、言葉も彼自身が書いている。厳密には’29年にできあがっていて、2月にヴィクターに録音もしたがそれは発売されなかったようだ。
[Lazy River]Lazy River ホウギィ・カーマイケルとスィドニィ・アロウディンが’31年につくった曲で、カーマイケル自身のオーケストラがレコーディングしている。これはその後ベニー・グッドマンとミルズ・ブラザーズのレコードがヒットした。
[Baltimore Oriole]Baltimore Oriole ホウギィ・カーマイケル作曲、ポール・フランスィス・ウェブスター作詞の’42年の曲で、映画やミュージカルとは直接関係ない曲だ。が二年後に、ヘミングウェイ原作でカーマイケル自身も出演した映画『To Have and Have Not』(Warner, ’45)のサウンド・トラックに、インストゥルメンタル曲として使用された。
[Nearness of You, The]The Nearness of You この曲は、’40年にホウギィ・カーマイケルが作曲し、ネッド・ワシントンが作詞したとクレディットのうえではなっていて、映画、ミュージカルとは関係ないが、正確にはカーマイケルがパラマウント映画の仕事をしていた’37年につくったものらしい。
[Heart and Soul]Heart and Soul ホウギィ・カーマイケルは’37年にソング・ライティング・スタッフとしてパラマウント映画社に入ったが、そこでフランク・レッサーとつくったものの一つがこの曲で、翌年の短編映画『A Song Is Born』に挿入された。
[I Get Along Without You Very Well (Except Sometime)]I Get Along Without You Very Well (Except Sometime) これはホウギィ・カーマイケルの書いたもののなかでも地味であまり知られていない曲の一つだ。とても綺麗で素晴らしい歌で、なかでもピリー・ホリデイの歌うこれは絶品で私の大好きな曲である。
[Georgia on My Mind]Georgia on My Mind ステュアート・ゴレル作詞、ホウギィ・カーマイケル作曲で’31年に書かれた大変有名な曲だ。カーマイケルはこの時点で’29年の[Stardust]ほかもう10曲以上書いていたが、まだ大きなヒットはない状態だった。当時彼はニューヨークの投資会社に勤めていて、余暇に曲を書いているところだった。サックス奏者でバンドリーダーのフランキー・トランバウアー Frankie Trumbauer が「ジョージアについての歌を書いたらどうだい? 今まで誰も南部の歌を書いて損した奴はいないよ」とある日彼に言った。